「冷凍おせち」と「冷蔵おせち」の違い
まずは、「冷凍おせち」と「冷蔵おせち」の違いについて解説します。言葉だけ聞くと、冷凍おせちはレトルト感があるというか、どことなく品質が低い響きとなりますが、実際はどうなのでしょうか?
まず、冷凍おせちの味について解説します。従来は「冷凍=味が良くない」というイメージでしたが、昨今は冷凍技術が進歩し、品質劣化を防いだ冷凍方法によって冷凍おせちを作り出しています。
そもそも、冷凍した食べ物の品質が劣化するというのは、食品中の水分が氷になる時に細胞壁を傷つけ、解凍した際に細胞内から旨味や栄養とともに水分が流れ出ることにより発生します。例えば、冷凍した肉や魚を解凍すると「ドリップ」が生じますが、これにより食材の風味や鮮度を著しく悪化させてしまいます。
しかし、昨今の冷凍技術はいわゆる「急速冷凍」であり、食材内部の水分が大きな氷の塊になることを防ぎます。これにより細胞壁が傷つけられず、解凍しても水分が抜け出るようなことが起きにくいのです。
一方、冷凍しない生の状態である「冷蔵おせち」はどうでしょうか。冷凍していないことにより、やはり冷凍おせちよりも風味が良いです。ですが、冷凍食品が日持ちして生の食材はものによって日持ちしない物が多いように、冷蔵おせちは保存のための工夫が必要になります。
大きく分けると「添加物」「味付け」「真空パック」の3種類に分けられます。添加物は、保存料や防腐剤などを使う方法であり、健康上のリスクを抱えることになります。それを用いない方法として「濃い味付け」によって保存性を高める方法ですが、味そのものに強く影響するので味有線で通販おせちを選ぶ際には問題となります。
最後の「真空パック」は無添加・薄い味付けで保存性が非常に高い方法なのですが、通販おせちとしては冷凍おせちほど種類が多くはありませんし、加えて「開封→盛り付け」の手間がかかってしまいます。
冷凍技術が現代ほど発達していなかった時期だと、冷凍よりも冷蔵のほうが味も風味も良い通販おせちを満喫できました。しかし昨今の冷凍技術は大きく進歩しており、冷凍しても品質を損なわずに購入者の自宅まで届ける事が可能になっています。
逆に冷蔵おせちは真空パック以外だと味や健康上のリスクに問題を抱えることになるので、最近ではその観点から冷蔵よりも冷凍おせちを選ぶという人も少なくありません。
ですが、冷凍おせちは少なからず風味を損なうデメリットがあります。また、解凍の仕方によっては品質が低下する恐れもあります。どちらもメリット・デメリットがあり、一概にどちらのほうが味が良いとも言い難いです。